高齢者雇用の最大の問題点は高齢者がその持てる力をフルに発揮して仕事ができるかどうかなのである。中小企業の経営者に聞くと、高齢者の雇用については複雑な反応が返ってくる。自分の会社に長く働いていて高齢になった人はともかく、別の大会社などから高齢者を雇い入れることには二の足を踏む経営者が多い。管理職などで経験のある人を雇いたいのだが、定年近くなった人は覇気がなくて使い難いという。ところが、そう言う経営者自身はいくつになっても元気が良く活力に溢れている。
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なぜサラリーマンの世界ではそういう現象が出てくるのだろうか。私見ではサラリーマンの組織に問題があるのではないかと思う。サラリーマンの組織は皆一緒に競争しながら昇進してゆく。誰にも良い点はあるから、大きな組織ではその選択は長所によるというよりは長い年月のうちにはむしろ減点法による消去法になりがちである。失敗をすれば競争から脱落する。したがって、皆失敗をおそれて突出を避け、消極的になり、保守的になり、周囲に気ばかり使うようになる。そうした減点法の世界で何十年も過しているうちにしだいに活力が無くなってくる。それでも昇進した人は良いが、そうでない人は定年近くになるとすっかり元気がなくなって使いものにならなくなるのではないか。